研究紹介

イントロダクション

ここでは、3つご紹介します。

電源の高電力密度化

MLCCを標準CMOSプロセスのSi基板上に実装することで、ディープトレンチ並みの高電力密度を有するスイッチトキャパシタDC-DCコンバータを実現しました。

高昇圧DC-DCコンバータ

マイクロDCグリッド用に、高昇圧DC-DCコンバータを開発しました。従来技術と比べ、素子数が10 個と少ないことが特徴です。

太陽光発電システム

太陽光発電システムの部分影の問題を解決する手法を提案しました。バックコンバータと電流形インバータを使用します。電解コンデンサを使用しないので、信頼性が向上します。

1) 集積電源

電源の高電力密度化

電力密度が高い、スイッチトキャパシタDC-DCコンバータを設計しました。シリコンチップ上に、MLCC(Multilayer Ceramic Capacitor) を直に載せます。

標準CMOSプロセスを用いて、ディープトレンチ並みの特性が得られました。

熱サーマルテストを行い、テスト前後で、効率が変わらないことも確認しています。

2) 高昇圧DC-DCコンバータ

PVとDCマイクログリッドをつなぐキーコンポーネント

エネルギの分散化、地産地消用にDCマイクログリッドが注目されています。DCマイクログリッドの電圧仕様は400 Vなのに対し、PV一枚の出力電圧は、20~40 V程度しかありません。DC Busに1 発で昇圧できるDC/DCコンバータが必要です。

X3 倍フィボナッチををベースにしました。ふたつのSW をインダクタに置き換えます。さらに、コンプリタリCLK の代わりにインターリーブクロックを加えます。

従来提案と比べ、素子数が10 と最少です。D = 0.8で、昇圧比16 倍が得られます。

3) 太陽光発電システム

部分影問題を解決

パネルの一部に影がかかると、ストリング電流を一定にするために、バイパスダイオードがON します。しかし、これでは影のかかったパネルから電力を取り出せません。これを避けるために、パネルに並列にDC/DC コンバータを接続し、ストリング電流を一定にしています。従来構成は、DC/DC コンバータがBuck, Boost, Pass through 回路を含み構成が複雑です。

また、従来構成のインバータは、電圧形インバータです。電解コンデンサが製品寿命を決めています。一方、電流形インバータは入力が電流なので、電解コンデンサが不要です。

そこで、電流形インバータと組合せることで、MIC(Module Integrated Converter) をBuck コンバータのみにできる構成を提案しました。

- これまで試作したチップを見てみましょう -